VUメーターの手前にHPFを通してみたら悲しい思いをした、、という話。
結論から言うとこの手法はしばらく実践してみようと思ったのだけど、その経緯を。

------------------------

先日、Wavesのゴールデンミックコンテストで、バンド編成の楽曲のミックスにチャレンジした。
これには1週間ちょっとかかって、その間は自分の曲を触らない状態だった。

一週間ぶりに自分の曲のセッションを開いて音を聴くと、、、あれ、なんだか僕の曲の音量小さいな…と感じた。
気のせいかと思って、コンテストの曲と自分の曲のラウドネスを揃えて聴き比べると、やっぱり自分の曲の方が音が小さく感じる。

なんでだろ。。。と悩んでていたとき、たまたまTwitterで「VUメータの前にHPFを通す」っていうTipsが流れているのを見たので何となく気分転換に試してみた。

StudioOneでは、1トラックの中で信号を分岐して、それぞれにプラグインを挿すことができるので↓のようにセッティングした。
信号を分岐させて、片方にHPF→VUメータ、そして、その音はミュート。
もう片方はマスターバスへ(実際に聴こえる音)。
VU_and_LowCut2



そして、自分の曲でみてみるとこんな感じ。
HPFがOFFの時は、0VUあたりまで針が振れてるんだけど、HPF(200Hzあたりからカット)を通すと -7VUあたりまでしか針が振れない。
つまり、4つ打ちテクノのキックがブンブンとVUメーターを動かしていただけで、音量感を感じさせるのに必要な帯域の音量が全然出ていなかったってこと…
VU_Low_CUT_ME


参考にしているトランス曲で同じことをやってみたのが↓
GIFだとわかりづらいけど、HPFを通しても-3VUくらいまで針が振れいてる。
自分の曲と4dB以上も差がある。
VU_Low_CUT_REF


改めて、この参考曲をスピーカーで流すと、メロディーに対するキックの音量感は、自分が頭のなかでイメージしていたよりもだいぶ小さい。
テクノな曲を作るにあたってキックを目立たせたいという思いと、スピーカーと僕の耳のしょぼさが相まって必要以上にキックの音量を上げすぎていたのだった。

コンテストの曲はボーカル&ギターの音量を中心にバランスをとったので、音量を感じやすい800-2kHzあたりが僕の曲よりも豊潤になり、より迫力があってリッチに聴こえたのだと思う。

●結論
スピーカーがしょぼいので低音の再生能力が低い、そして何より僕の耳が弱い

ということで、
・HPF+VU
・K-Meter(RMSメーター)

を併用してのミックスをしばらくやってみようと思った。

まずは、HPFを通したVUメータが目標の値まで触れるようなところでメロディー周辺のバランスをとって、キック、ベースがそれに合う音量で低域を支える感じでミックスしてみる。
このやり方が合ってるかはわからないけど、スペクトルアナライザーも見ながらやってても駄目だったんだから、新しい方法を試してみないと。


●ふとした疑問
今回のことから、僕のミックスは低域の音量が”無駄に”高すぎたことが分かったのだけど、、、、
これにL3-16とかのマルチバンドなマキシマイザーを掛けたら、各帯域が平らに均されるのかな。

以前はマキシマイザーをがっつりかけてたから、僕のようなバランスの悪い音源もなんとなーく四角い箱に平らに敷き詰められたようになっていたのかも。。。。

ということで、今度ためしてみます。

●おまけ

毎度ダサイ音源で恥ずかしいのですが…
この音源の前半と後半、HPFを使わない場合、VUメータは大体同じような振れ方をします。
※ちょっとわかりやすいように大げさに音量差をつけてますが。

後半は、キック、ベースの音量は変えずに、上物の音量を変えただけです。
全然バランスとってなくて更に聴きぐるしくなりますが、ウワモノの音量を大きく変えてもVUメータは同じような振れ方をする、、という例としてアップしてみました。

このことで、VUメータ、RMSメータは、反応速度を落とすと、キックの音量が大きい場合はウワモノの音量が小さくてもガンガン振れてしまうことが改めて分かった。
メーターに頼るだけじゃなく、自分の耳も鍛えろってことだと思うんだけど、、、
自信がない場合は、メーターの使い方も工夫の余地があるなぁということを感じた、、、という日記でした。